このタスクフォースは、欧米の自動車メーカーやサプライヤーが協力して設立され、自動車産業における製品全体の品質を向上させることを目的としています。IATF16949ISO/TS 16949をベースとして、自動車業界に特化した品質管理ルールとして制定されました。
IATF16949が制定された経緯
この規格の経緯は、米国のBig3(クライスラー、フォード、GM)が中心となって、ISO 9001:1994を基準として自動車業界特有の要求事項を加えた “QS-9000” を1994年に発行しました。米国Big3は、自動車部品や材料を供給する業者に対してQS-9000の認証取得を購入条件とした結果、QS-9000は事実上の業界の標準として認められるようになりました。
その後、QS-9000は、欧州の自動車業界が発行した品質システム規格群と国際的に統一され、ISO/TS 16949が発行されました。更に、2016年にIATF 16949:2016として発行されました。IATF 16949:2016の目的は、自動車やその部品の製造工程における品質管理を統一し、品質の安定性と信頼性を高めることです。
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1994年に発行
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2009年に統一
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2016年に発行(第一版)
このルールには、品質管理システムの要件やプロセスの指針、品質目標の設定、品質改善の手法などが含まれています。具体的には、製品の設計・開発、製造プロセス、サプライヤー管理、顧客満足度の向上など、さまざまな側面での品質管理要件が定められています。
自動車業界における品質の確保は、安全性や信頼性を高めるだけでなく、企業の競争力を向上させる重要な要素です。
IATF16949を満たすための
「外部試験所」による校正ルール
IATF16949を満たすためには、様々な要件を満たす必要があります。例えば、製品の性能や安全性に関する検査が必要です。また、製造工程や材料の管理も重要です。さらに、外部の試験所での検査や校正も求められます。
IATF16949の中に「7.1.5.3.2 外部試験所」という項目があります。この項目では、ISO/IEC 17025という校正サービスの国際規格の利用を求めています。
ISO/IEC 17025は、試験や校正の信頼性を確保するための基準です。日本におけるISO/IEC 17025の認定を受けた校正サービスはJCSS校正を指します。
つまり、IATF16949を満たすためには、JCSS校正などのISO/IEC 17025に準拠した校正サービスの利用が必要です。
測定機と一口に言っても、JCSS校正が可能な製品と、不可能な製品が存在します。
ミツトヨは、JCSS校正が可能な製品を多数販売しております。JCSS校正に対応した機種は、ISO/IEC 17025に準拠した校正サービスを提供することができ、IATF16949を満たすことが可能です。