ミツトヨ精密測定機器・総合カタログNo.13-52版
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B-72BB-72B■マイクロメータの性能評価方法■全測定面接触誤差の最大許容誤差 【JIS B 7502:2016】 マイクロメータの日本産業規格として、JIS B 7502が2016年に改訂発行され、マイクロメータの指示誤差を表す「器差」が「指示値の最大許容誤差(MPE)」へと変更されています。従来JIS規格の「器差」は仕様の領域(精度仕様)と合格範囲が等しいとする合格基準が採用されており、合否判定に測定の不確かさは含まれていません(図1)。新JIS規格の「指示値の最大許容誤差(MPE)」はISO規格(ISO 14253-1)で採用される不確かさを考慮した合否判定の基本的な考え方が採用されています。仕様への適合および不適合の検証は、国際的に認められている仕様の領域と合格範囲とが等しい場合の合格基準(simple acceptance)を用いることが明記されており、不確かさを考慮した一定の条件を満たす場合に、仕様の領域=合格範囲とすることが認められています。ここで、国際的に認められている合格基準とは、ISO/TR 14253-6:2012です(図2)。  2016年のJIS規格変更点を含め、代表的な検査の内容を説明します。外側マイクロメータにおける全測定面接触誤差は、測定範囲の任意の位置で測定面の全面と測定対象物とを接触させて測定した場合の指示誤差です。マイクロメータの最小測定長で定圧装置を使用して基点合わせを行った後、JIS B 7506に規定する0級若しくは1級のブロックゲージまたはこれと同等以上のゲージを測定面間に挟み(図3)、定圧装置を使用してマイクロメータの指示値からブロックゲージの寸法を減じることで求められます。図1図2従来JIS規格 器差JIS B 7502-1994適合の領域合否判定に「不確かさ」を含まない仕様の領域=合格範囲仕様の領域合格範囲不適合の領域不適合の領域新JIS規格 最大許容誤差MPEJIS B 7502:2016(ISO/TR 14253-6:2012)不確かさを考慮した条件を満たす場合仕様の領域=適合の領域不適合の領域適合の領域不適合の領域仕様の領域不確かさの領域U不確かさの領域(不合格)(不合格)合格UUU図3 全測定面接触誤差の測定ブロックゲージ

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