ミツトヨ精密測定機器・総合カタログNo.13-52版
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D-38DD-38D■一般的なノギス使用上の注意1.ノギスの誤差要因ノギスの誤差要因には、いろいろなものがありますが大きなものでは、視差、アッベの原理に反する測定器であるため、測定力のかけ過ぎによる誤差、ノギスと測定物の温度差による熱膨張のための誤差、小孔の内径測定の際、内側測定面の厚さと内側測定面間のすき間によって発生する誤差などがあります。 その他にも、目盛精度、基準端面の真直度、本尺目盛面の平面度、ジョウの直角度などの誤差要因はありますが、これらは器差内に押さえられるべきものであり、器差を満足しているノギスでは問題となりません。JISの中でノギスの構造から生じる誤差要因を十分に承知して使用していただくために、取扱上の注意事項が追加されております。これは測定力に関するもので「ノギスには、定圧装置がないので適正で、かつ均一な測定力で測定をするようにしなければならない。とくにジョウの元、または先で測定した場合に誤差が大きくなる危険があるから注意が必要である」と指摘されております。LL < øDøD2.内側測定できるだけ内側ジョウを奥深く差し込んで測定してください。内側測定時には指示値が最大となった時点の値を読み取ってください。溝幅測定時には指示値が最小になった時点の値を読み取ってください。3.深さ測定デプス基準面を測定物に密着させて測定してください。4.目盛線を読む時の注意(視差)バーニヤ目盛と本尺目盛の合致を見る場合は、バーニヤ目盛線を真っ直ぐに見る方向から見る必要があります。バーニヤ目盛線を斜めから見た場合、バーニヤ目盛先端と本尺目盛の段差により合致位置が、視差によって下図のようにΔXだけずれた位置に見え測定値の読み間違い誤差となります。このため、JISではバーニヤ先端と本尺目盛面の段差を0.3 mmと規定しています。AΔXH5.基準端面の曲がりノギスのスライダの案内の基準となる端面の曲がりがあると、図に示すように測定誤差の原因となります。この誤差はアッベの原理に合致しない誤差と同じ計算式で表わせます。f=hθ=h a      ℓhhaθf例)案内面の曲がりによるスライダの蛇行を 0.010 mm/50 mmとし、外側測定子先端を40 mmとして計算すると f=40 mm×0.01÷50=0.008 mm 案内面の曲がりも摩耗したり、取り扱い不注意により曲げたりすると、その影響は無視できなくなります。6.測定と温度の関係ノギスの本体はステンレス鋼で作られています。測定物(鉄系金属)と同等の線膨張係数(10.2±1)×10-6となっていますが、測定物の材質や室温、測定物の温度によっては、測定精度に影響しますので注意が必要です。7.ノギスの外側測定部分および内側測定部分は鋭利に尖っています。身体を傷つけない様、取り扱いには十分気をつけてください。 デジタルノギスのスケールを傷つけたり、電気ペンで番号などを記入することは避けてください。 ノギスを落としたり、ぶつけたりしないように取り扱いにはご注意ください。8.摺動面と測定面の管理ノギスを使用する前には、乾いた柔らかな布で摺動面および測定面を拭いて、ゴミなどを取り除いてからご使用ください。9.使用前に原点の確認 ノギスを使用する前には、外側用ジョウ(合口)を閉じて、原点を確認してからご使用ください。デジマチックキャリパでは、電池を入れた時、電池の交換時に必ず外側用ジョウ(合口)を閉じて、ORIGINスイッチ押して、原点をセットしてください。ORIGINスイッチ閉じる電池10.使用後の取り扱いノギスの使用後は、水分(油)を良く拭きとって防錆油を薄く塗布(防錆油を良く乾かしてください)した後、保管してください。防水タイプのノギスも本体の錆びが発生しますので水分の拭き取りが必要です。11.保管上の注意●直射日光の当たる場所や高温、低温、多湿な場所は避けて保管●デジタルノギスを3ヵ月以上使用しない場合は、電池を取り外して保管 ノギスは、クランプをせずに保管

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