ミツトヨ精密測定機器・総合カタログNo.13-52版
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E-36EE-36E■ゲージブロック検査成績書の解説ゲージブロックの検査成績書・校正証明書の記載項目について、お客様からの問い合わせが多い項目について解説いたします。セットの検査成績書呼び寸法mm製造番号中央寸法の寸法差最大寸法の寸法差最小寸法の寸法差寸法差幅100 021236 + 0.02 + 0.03-0.020.05単位:µm検査成績書の記載例最大寸法最小寸法呼び寸法中央寸法単体の検査成績書 ❶「中央寸法の寸法差」とは何ですか? ゲージブロックの検査はゲージブロックの「中央位置」と「側面より1.5mm内側の4角」の計5箇所について測定します。「中央寸法の寸法差」とは「中央位置における寸法」で「実際の寸法-呼び寸法」で示されます。10mmのゲージブロックで中央の実際の寸法が10.00001mmであった場合、中央寸法の寸法差は、+0.01µmです。 ❷「最大寸法の寸法差」とは何ですか? 測定点5点の測定の中で最も大きい寸法を示します。5点の中でどの位置が「最大寸法の寸法差」を示すかは検査成績書(校正結果)には示されておりません。 ❸「最小寸法の寸法差」とは何ですか? 測定点5点の測定の中で最も小さい寸法を示します。5点の中でどの位置が「最小寸法の寸法差」を示すかは検査成績書(校正結果)には示されておりません。 ❹「寸法差幅」とは何ですか? (最大寸法の寸法差-最小寸法の寸法差)の絶対値で、旧JISでの平行度のことです。 ❺校正値の不確かさとは何ですか? 測定には「測定の誤差」があります。「校正値の不確かさ」とは、今まで日常的に使用していた「精度」または「誤差」と理解していただければわかりやすいと思います。不確かさは標準偏差で表されます。 ❻校正値の拡張不確かさとは何ですか? 標準偏差は一般的にσ(シグマ)で示され、2シグマとか3シグマで表現されます。標準不確かさは1σの値ですが、拡張不確かさとは2σのように、σにある係数を乗じた値で示されます。包含係数とは標準の不確かさ(σ)に乗ずる係数で、2σ、3σの数字の部分を示します。一般的には2σで示されることが多く、弊社のゲージブロックでも2σ(95%)を採用し、包含係数K=2と表現しています。 検査成績書に示されるU=k・uc=0.06µmとは、検査成績書の「中央寸法の寸法差」に示された数値は95%の確率で、(中央寸法の寸法差±0.06µm)の範囲以内にあるということです。 中央寸法の寸法差が+0.01µm記載されている場合、このゲージブロックは95%の確率で+0.07~-0.05µmの範囲にあることを示しています。 ❼ゲージブロックの測定方法は? 「光波干渉測定」と「比較測定」の2種類があります。「光波干渉測定」は長さの定義に基づく光の波長を使用することによって直接ゲージブロックの長さを求める方法であり、現在行われているゲージブロックの測定では最高の精度が得られる測定方法です。 「比較測定」は長さの知られている標準ゲージブロック(校正用ブロックゲージ)との比較によって寸法を求める方法です。 K級の「中央寸法の寸法差」は光波干渉測定で求められ、「寸法差幅」や0、1、2級は比較測定で求められます。

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