ミツトヨ精密測定機器・総合カタログNo.13-52版
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L-19Lコントレーサ(輪郭測定機)編■追従角度スタイラス送り方向に対して測定物の形状にスタイラスが上り、下りできる限界角度を追従角度といいます。スタイラス先端角度が12° の片角スタイラス(図)の場合は、上り77°、下り87°であるが円すいスタイラス(30°円すい)だと、さらに限界傾斜が緩やかになります。見かけ上77°であっても上り斜面の表面粗さの影響によって、77°以上の斜面も部分的に存在するし、また、測定力にも影響します。■スタイラス半径補正スタイラスの先端半径(0.025 mm)により、記録図形は、測定物の表面上を転がるボールの中心の軌跡となります。このスタイラスの先端半径をデータ処理上補正することにより、正確な測定値と、形状記録を得ることができます。■円弧歪スタイラスが円弧運動すると、記録図形のX軸方向に歪による誤差が生じます。円弧歪を補正する手段としては、①機械的に補正する方法②電気的に補正する方法③ソフトウェア演算によって補正する方法があります。上下方向に変位量の大きい測定物を高精度に測定する場合には、円弧歪補正が必要です。■精度X軸・Z軸の検出部はスケールを内蔵していますので、百分率による倍率精度表示ではなく各軸の指示精度で表示されています。下り上り77°以下87°以下rrr記録図形測定物の輪郭 r:スタイラス半径スタイラススタイラススタイラス測定アームδ支点δ:円弧歪■Z軸検出方式X軸駆動検出についてはデジタルスケールによる検出が一般的ですが、Z軸検出方式としては、アナログ方式(差動トランスなど)とデジタルスケール方式があります。アナログ方式は、測定倍率や測定レンジによってZ軸分解能が変化しますが、デジタルスケール方式は、スケールの分解能に従います。一般的には、デジタルスケール方式の方が高精度です。■安全装置輪郭形状の急斜面、バリなどによって、スタイラス先端に過負荷が発生した場合、スタイラス破損防止のため、自動的に動作停止し、警報ブザーで知らせます。一般的には、送り方向(X軸方向)の負荷と上下方向(Z軸方向)の負荷に分けて装備しています。■円弧作動・直線作動スタイラスの上下運動によって、スタイラス先端が描く軌跡で、円弧と直線があります。直線の場合は、機械的構造が複雑となり、円弧の場合はスタイラスの上下変位量が大きいと、円弧歪(δ)によって、記録図形に歪を生じます。(左下図参照)

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