ミツトヨ精密測定機器・総合カタログNo.13-52版
584/632

M-11M硬さ試験機編(2)ヌープ硬さヌープ硬さは、対稜角が172°30′と130°の横断面が菱形のダイヤモンド四角錐に試験力Fを加えて試料に押し込んだ後、圧子を取り去ったときのくぼみの長い方の対角線長さd(mm)から計算されるくぼみの投影面積A(mm2)で試験力を割った値です。なおヌープ硬さは微小硬さ試験機のビッカース圧子をヌープ圧子に交換することにより測定できます。(3)ロックウェルおよびロックウェルスーパーフィシャル硬さロックウェルおよびロックウェルスーパーフィシャル硬さは、ダイヤモンド圧子(先端の円錐角120度、先端の曲率半径0.2 mm)または球圧子(鋼球または超硬合金球)を用いて、まず初試験力を加え、次に試験力を加え、再び初試験力に戻したとき、前後2回の初試験力における圧子の侵入深さの差h(µm)から硬さ算出式で求めます。初試験力が98.07 Nのときロックウェル硬さといい、初試験力が29.42 Nのときロックウェルスーパーフィシャル硬さという。なお圧子の種類、試験力および硬さ算出式の組み合わせに固有の記号を設けてスケールといいます。なおJISではスケールまたは硬さについて規定しています。溶接部の最高硬さ溶接金属の硬さ高温硬さ(高温特性、熱間加工性)破壊じん性(セラミックス)※●●●:適している。  ▲▲▲:やや適している。SFSFd2FF:Nd:mmd22Fsin2===k0.1020.1020.1891=HVθHVΔHVFΔFdΔd1-----2dΔd2d2a223.5×10-3Δθ≒AFAFd2FF:Nd:mmc:定数cd2F===k0.1020.1021.451=HK■硬さの定義(1)ビッカース硬さビッカース硬さは、任意の試験力で試験できる最も応用範囲の広い試験方法です。特に9.807 N以下の微小硬さの応用分野は非常に多くなっています。ビッカース硬さは、ダイヤモンド正四角錐(対面角θ=136度)に試験力F(N)を加えて試料に押し込んだ後、圧子を取り去ったときのくぼみの対角線長さd(2方向の平均、mm)から計算される圧子と試料との接触面積S(mm2)で試験力F(N)を割った値です。kは、定数(1/g=1/9.80665)ビッカース硬さの誤差は次の式でえられます。なおΔd1は顕微鏡の誤差、Δd2はくぼみ読み取りの誤差、aは圧子先端の対向面によって生じる稜線の長さ、Δθの単位は度です。検査、判定材料の強さ、物性熱処理過程浸炭硬化層深さ脱炭層深さ炎、高周波焼入れ硬化層深さ焼入れ性試験溶接部の最高硬さ溶接金属の硬さ高温硬さ(高温特性、熱間加工性)破壊じん性(セラミックス)※●●●:適している。  ▲▲▲:やや適している。大形の試料(構造物)金属材料の組織(多層合金の相別の硬さ)プラスチック板スポンジ、ゴム板SFSFd2FF:Nd:mmd22Fsin2===k0.1020.1020.1891=HVθHVΔHVFΔFdΔd1-----2dΔd2d2a223.5×10-3Δθ≒AFAFd2FF:Nd:mmc:定数cd2F===k0.1020.1021.451=HK形 状検査、判定スポンジ、ゴム材料の強さ、物性熱処理過程浸炭硬化層深さ脱炭層深さ炎、高周波焼入れ硬化層深さ焼入れ性試験溶接部の最高硬さ溶接金属の硬さ高温硬さ(高温特性、熱間加工性)破壊じん性(セラミックス)※●●●:適している。  ▲▲▲:やや適している。薄板(安全カミソリ、金属箔)薄膜、メッキ、塗装、表面層(窒化層)小形部品、針状部品(時計、ミシン針)大形の試料(構造物)金属材料の組織(多層合金の相別の硬さ)プラスチック板スポンジ、ゴム板SFSFd2FF:Nd:mmd22Fsin2===k0.1020.1020.1891=HVθHVΔHVFΔFdΔd1-----2dΔd2d2a223.5×10-3Δθ≒AFAFd2FF:Nd:mmc:定数cd2F===k0.1020.1021.451=HKロックウェル硬さロックウェルスーパーフィシャル硬さロックウェル硬さ試料の最小厚さt(mm)試料の最小厚さt(mm)試料の最小厚さt(mm)■ロックウェル/ロックウェルスーパーフィシャル硬さと試料最小厚さの関係HV=0.1891t>1.5dh≒d 7t: 試料の厚さ mmd: 対角線の長さ mmh: くぼみの深さ mm〔例〕 t : 試料厚さ: 0.15 mm 試料硬さ: 185 HV1 F: 試験力: 9.807 N(1 kgf) d: 対角線長さ: 0.1 mmFd2dthビッカース硬さHv200010005003002001005030200.0010.0020.0030.0050.010.020.030.050.10.20.30.51230.0010.0020.0030.0050.010.020.030.050.10.20.30.512試料の最小厚さt: mm くぼみの対角線長さ d: mm0.0010.0020.0030.0050.010.020.030.050.10.20.30.51235102030509.807×10-319.61×10-329.42×10-349.03×10-398.07×10-30.19610.29420.49030.98071.9612.9424.9039.80719.6129.4249.0398.07196.1294.2490.3硬さ記号試験力F: NHV0.00054.903×10-3■ビッカース硬さと試料最小厚さの関係

元のページ  ../index.html#584

このブックを見る