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■バーニヤ目盛ノギスは、歯車やネジなど機械的拡大機構なしで1㎜より小さい単位を読み取ることができるバーニヤ目盛を持っています。バーニヤ目盛は本尺目盛と組み合わせて使われ、本尺の(n-1)目盛に対しスライダには同じ幅をn等分しています。例としてn=10の場合は以下のようになります。本尺の(n-1)=9目盛(9㎜)を、スライダでn等分つまり10等分したバーニヤ目盛は以下のようになります。このとき、A図のように1目盛の間隔の差は0.1㎜…①となり、B図のようにスライダが0.1㎜右方向に動いた場合、本尺の2本目の目盛が一致…②し、0.1㎜単位を読むことができます。■長尺ノギスについてきわめて大きな測定物を測定する場合、通常はルール(Rules)を使用しますが、もう少し精度が欲しいがマイクロメータを使用する程でもない、という場合に長尺ノギスが使用されます。大変手軽に使えて便利ですが、次のことに注意する必要があります。最小読み取り値と器差は異なります。詳細は弊社のカタログ値を参照ください。次に長尺ノギスの場合、その測り方が問題となります。つまり本尺のたわみによる誤差が誤差要因の大部分を占めることになり、ノギスの支持の方法で大きく測定値が変化することになります。また、内側用測定面は基準端面から一番離れたところとなりますので、測定力に注意が必要です。外側用測定面でもロングジョウノギスの場合には、同様のことがいえます。■M形ノギスの小穴測定小穴の内径を測定する場合は、構造上の誤差Δdが生じます。øD:真の内径ød:測定値t1,t2:内側ジョウの厚さC:内側用ジョウの間隔Δd:測定誤差øD-ød●øD=5mmの場合の誤差量単位:mm0.70.047t1+t2+C0.30.0090.50.026ΔdCt2t1ødøD■CM形ノギスの内側測定CM形ノギスでは内側測定面はジョウの先端になっており、測定力に注意が必要であると共に測定面の平行度、ジョウの段違いが問題となります。また測定面の円弧の半径は、内側測定部の組み合わせ寸法の1/2以下でなければなりません。M形ノギスと異なり、CM形ノギスでは組み合わせ寸法以下の小口の測定はできません。しかし、長尺ノギスで小口の測定をすることはまれですから、不便は感じないと思われます。ミツトヨノギスでは内側測定の読みは本尺目盛が2段で上段目盛が内側専用となっていますので、直読方式となっています。計算が不要となって間違いも少なくなります。内側専用外側専用初期のノギスでは、本尺の19目盛を20等分して0.05㎜単位を読んでいましたが、狭い範囲の中で一致した線を探す煩わしさがあり、1970年代より本尺の39目盛を20等分したロングバーニヤ目盛が一般的に使われています。●バーニヤ目盛(19mmを20等分)●ロングバーニヤ目盛(39mmを20等分)010203040304050607002468100123456789100.05mm1939読み取り値1.45mm読み取り値30.35mm0.05㎜より細かい単位で読むために、本尺の49目盛を50等分し0.02㎜単位を読取るタイプも登場しましたが、0.01㎜をデジタル表示するデジマチックキャリパの登場で現在は数少なくなりました。D-37