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■精度の表記方法変更(規格対象外品について)ISO-2019年版では対象となる製品の精度表記方法が規格化されましたが、対象外品(専用測定面を持つノギス等)については記載されておらず、それぞれのメーカーに任されています。数多くの専用化されたノギスを持つミツトヨでは以下の考え方に基づきすべてのノギスについてMPE表記を行います。例としまして、穴ピッチノギス、インサイドノギス等「ゼロセット面以外の測定面で測定を行うノギス=測定方法が専用のノギス」の場合は「シフト誤差(SMPE)表記」とします。図5・表7)精度表記がSMPE表記となりますが、ISO-2019年版で決められた試験点数ではなく、従来通りの試験点数・方法で測定を行います。(図5)ISO対象外機種(例)573-605-20NTD10P-P15M573-646-20NTD14P-P15M◀ZEROセット面外側測定面なし▲内側測定部(SMPE)◀ZEROセット面外側測定面なし▲ピッチ測定部(SMPE)(表7-1)SMPE(mm)±0.04EMPE(mm)̶試験点数:3点最大許容誤差(MPE)最大許容誤差(MPE)(表7-2)SMPE(mm)±0.03EMPE(mm)̶試験点数:3点■精度の表記方法変更(MPE表記について)今まで行っていた『器差』表記が『MPE(EMPE/SMPE)』表記に変わります。シフト誤差(SMPE)として深さ、段差を含んだ許容値が記載されます。表4)規格ISO13385-1:2019EMPE外側測定外側測定の精度表記外側測定の精度表記SMPE内側測定深さ測定段差測定内径測定内側測定、深さ測定、段差測定等のすべてを含んだ許容値内側測定=EMPE深さ、段差ISO13385-1:2011(JISB7507:2016)最大許容誤差には、繰り返し精度および量子化誤差が含まれます。=EMPE+0.02mm小穴測定(SMPE)▼【試験点とMPE表記】◀内測測定(SMPE)段差測定(SMPE)▶深さ測定部(SMPE)▼外測測定(EMPE)◀◀◀外側以外の測定がSMPE表記となりますが、内側測定の最大許容誤差は従来から変わりません。ISO-2019年版では外側測定以外の測定(内側測定・深さ測定・段差測定・内径測定)をSMPE値として許容値を表記しなければなりませんが、内側測定に比べ深さ・段差測定の方が許容値が大きく、表記した際精度が悪化したと思われるかも知れません。これはISO-2019年版に則って表記方法を変更したものであって、内側測定の精度が悪化したものではなく、製品自体の性能にも変わりはありません。表6-1・6-2)【例】200mmノギスの場合(表4-1)器差±0.02mm(従来の表記)外側測定内側測定±0.02±0.02深さ・段差測定は外側測定値に0.02mmを加える内訳➡(表6-1)単位:mm50以下測定長目量、最小量または最小読取値0.02または0.01±0.02±0.03±0.040.05±0.0550を超え100以下±0.06100を超え200以下±0.07200を超え300以下±0.08注:EMPEは、真直度、測定面の平面度および平行度によって生じる測定誤差を含む。【例:200mmノギスの許容値】(表6-2)最大許容誤差(MPE)EMPE(mm)SMPE(mm)測定長(mm)0≦L≦5050≦L≦100100≦L≦150150≦L≦200±0.02±0.02±0.02±0.02±0.04±0.04±0.04±0.04【例:SMPEの精度内訳】内側測定±0.02段差測定±0.04深さ測定±0.04内径測定+0.01-0.03部分測定面接触誤差の最大許容誤差EMPE(JISB7507より)D-41