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デプスゲージ編■部分測定面接触誤差の最大許容誤差EMPE【JISB7518:2018】デプスゲージにおける部分測定面接触誤差は、深さ測定に適用される指示誤差です。表1に部分測定面接触誤差の指示値の最大許容誤差EMPEを示します。精密定盤上に置いた2個のブロックゲージ、またはそれと同等以上のゲージ類を測定面にベース測定面を密着させた状態で、本尺測定面を精密定盤に当てたとき(図3)の、デプスゲージの指示値からゲージの寸法を減じることで求められます。表1一般的なデプスゲージにおける部分測定面接触誤差の最大許容誤差EMPE単位:mm測定長目量,最小表示量または最小読取値0.050.02または0.0150以下50を超え100以下100を超え200以下200を超え300以下300を超え400以下400を超え500以下500を超え600以下注:EMPEは,真直度,測定面の平面度および基準面との平行度によって生じる測±0.05±0.06±0.07±0.08±0.09±0.10±0.11±0.02±0.03±0.04±0.05定誤差を含む。図3部分測定面接触誤差の測定デプスゲージハイトゲージ精密定盤ブロックゲージ精密定盤以下の機種で日本産業規格の指示誤差を表示する「器差」が「指示値の最大許容誤差(MPE)」へ変更されています。・571シリーズABSデジマチックデプスゲージVDS-AX/P/DCD-64掲載(全機種)・527シリーズデプスゲージVDSD-65掲載(全機種)・527・571シリーズフック付デプスゲージVDS-H/PH/PRD-66〜D-68掲載(全機種)・571シリーズミニデプスNTD35-MD-69掲載(全機種)■デプスゲージの性能評価方法デプスゲージの日本産業規格として、JISB7518が2018年に改訂発行され、デプスゲージの指示誤差を表す「器差」が「指示値の最大許容誤差(MPE)」へと変更されています。従来JIS規格の「器差」は仕様の領域(精度仕様)と合格範囲が等しいとする合格基準が採用されており、合否判定に測定の不確かさは含まれていません。(図1)新JIS規格の「指示値の最大許容誤差(MPE)」はISO規格(ISO14253-1)で採用される不確かさを考慮した合否判定の基本的な考え方が採用されています。仕様への適合および不適合の検証は、国際的に認められている仕様の領域と合格範囲とが等しい場合の合格基準(simpleacceptance)を用いることが明記されており、不確かさを考慮した一定の条件を満たす場合に、仕様の領域=合格範囲とすることが認められています。ここで、国際的に認められている合格基準とは、ISO/TR14253-6:2012です。(図2)2018年のJIS規格変更点を含め、代表的な検査の内容を説明します。図1従来JIS規格器差JISB7518-1993不適合の領域仕様の領域適合の領域合格範囲不適合の領域ブロックゲージ合否判定に「不確かさ」を含まない仕様の領域=合格範囲図2新JIS規格最大許容誤差MPEJISB7518:2018(ISO/TR14253-6:2012)不適合の領域(不合格)UU仕様の領域適合の領域(合格)不適合の領域(不合格)UU不確かさの領域不確かさの領域不確かさを考慮した条件を満たす場合仕様の領域=適合の領域D-75