mitutoyo_総合カタログ_No13-53


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■ゲージブロック検査成績書の解説ゲージブロックの検査成績書・校正証明書の記載項目について、お客様からの問い合わせが多い項目について解説いたします。❶「中央寸法の寸法差」とは何ですか?ゲージブロックの検査はゲージブロックの「中央位置」と「側面より1.5mm内側の4角」の計5箇所について測定します。「中央寸法の寸法差」とは「中央位置における寸法」で「実際の寸法-呼び寸法」で示されます。10mmのゲージブロックで中央の実際の寸法が10.00001mmであった場合、中央寸法の寸法差は、+0.01µmです。❷「最大寸法の寸法差」とは何ですか?測定点5点の測定の中で最も大きい寸法を示します。5点の中でどの位置が「最大寸法の寸法差」を示すかは検査成績書(校正結果)には示されておりません。❸「最小寸法の寸法差」とは何ですか?測定点5点の測定の中で最も小さい寸法を示します。5点の中でどの位置が「最小寸法の寸法差」を示すかは検査成績書(校正結果)には示されておりません。❹「寸法差幅」とは何ですか?(最大寸法の寸法差-最小寸法の寸法差)の絶対値で、旧JISでの平行度のことです。❺校正値の不確かさとは何ですか?測定には「測定の誤差」があります。校正値の不確かさ」とは、今まで日常的に使用していた「精度」または「誤差」と理解していただければわかりやすいと思います。不確かさは標準偏差で表されます。❻校正値の拡張不確かさとは何ですか?標準偏差は一般的にσ(シグマ)で示され、2シグマとか3シグマで表現されます。標準不確かさは1σの値ですが、拡張不確かさとは2σのように、σにある係数を乗じた値で示されます。包含係数とは標準の不確かさ(σ)に乗ずる係数で、2σ、3σの数字の部分を示します。一般的には2σで示されることが多く、弊社のゲージブロックでも2σ(95%)を採用し、包含係数K=2と表現しています。検査成績書に示されるU=k・uc=0.06µmとは、検査成績書の「中央寸法の寸法差」に示された数値は95%の確率で、(中央寸法の寸法差±0.06µm)の範囲以内にあるということです。中央寸法の寸法差が+0.01µm記載されている場合、このゲージブロックは95%の確率で+0.07〜-0.05µmの範囲にあることを示しています。❼ゲージブロックの測定方法は?「光波干渉測定」と「比較測定」の2種類があります。「光波干渉測定」は長さの定義に基づく光の波長を使用することによって直接ゲージブロックの長さを求める方法であり、現在行われているゲージブロックの測定では最高の精度が得られる測定方法です。「比較測定」は長さの知られている標準ゲージブロック(校正用ブロックゲージ)との比較によって寸法を求める方法です。K級の「中央寸法の寸法差」は光波干渉測定で求められ、「寸法差幅」や0、1、2級は比較測定で求められます。単体の検査成績書検査成績書の記載例呼び寸法mm100製造番号021236中央寸法の寸法差+0.02最大寸法の寸法差+0.03最小寸法の寸法差-0.02単位:µm寸法差幅0.05E最大寸法最小寸法中央寸法呼び寸法セットの検査成績書E-36


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