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■開口数(NA=NumericalApertureの略)開口数NAは対物レンズの分解能、焦点深度、像の明るさなどを決める重要な値です。開口数NAは次の式で表され、この数値が大きいほど高解像で焦点深度の浅い像が得られます。NA=n・Sinθnは対物レンズ先端と試料との間の媒質がもつ屈折率で空気のときはn=1.0となります。θは対物レンズの一番外側を通る光線とレンズの中心(光軸)とのなす角度です。■分解能(R=Resolvingpowerの略)ごくわずかに離れた点または線を見分けることができる最小の間隔を分解能といい、解像限界を表します。分解能(R)は開口数NAと波長λで決まります。R=λ(µm)λ=0.55µm(基準波長)2・NA顕微鏡編■明視野照明と暗視野照明明視野照明は対物レンズを通して垂直に照明し試料を観察するための照明方法です。暗視野照明は対物レンズの外側から試料を照明し(光軸に対して傾いた光線で試料を照明する)傷のない平らな部分は暗黒で凹凸や傷のある部分のみが明るく輝かせて観察するための照明方法です。■アポクロマート対物レンズとアクロマート対物レンズアポクロマート対物レンズは三つの色の光(赤緑青)について色収差(色のにじみ)補正を行ったレンズです。アクロマート対物レンズは二つの色の光(赤青)について色収差補正を行ったレンズです。■倍率光学系によって生ずる物体の拡大像の大きさと、物体の大きさの比をいいます。横倍率、縦倍率、角倍率があるが、一般に倍率という場合は、横倍率をいいます。■作動距離(W.D.=WorkingDistanceの略)焦点が合ったときの試料上面から対物レンズ先端までの距離をいいます。■主光線光軸外の物点からでて、レンズ系の開口絞りの中心を通る光線です。■同焦距離焦点が合ったときの試料上面から対物レンズの取り付け位置までの距離をいいます。■開口絞りレンズ系において、光線束を制限する絞りです。明るさも絞りといいます。■視野絞り光学機器の視野を制限する絞りです。■無限遠補正光学系対物レンズと結像(チューブ)レンズを使って像を作る光学系を無限遠補正光学系といいます。■テレセントリック系主光線が焦点を通るように配置された光学系で、焦点合わせの誤差によって結像倍率に変化が生じません。■正立正像光学系による拡大像が載物台上の測定物と上下左右の向きおよび移動方向がすべて一致する像のことをいいます。■視野数(F.N.=FieldNumberの略)・実視野・モニタ表示倍率試料面のどれくらいの範囲が観察されるかは、接眼レンズの視野絞りの直径によって決まり、この直径をmmで表した値を視野数といいます。実視野は実際に対物レンズで拡大観察されている物体面での範囲のことをいいます。実視野は以下の式で算出できます。(1)顕微鏡で観察できる被検物の範囲(直径)実視野(mm)=接眼レンズの視野数対物レンズ倍率(例)1×レンズの実視野は24mm)=10×レンズの実視野は2.4mm)=24(mm)124(mm)10(2)モニタ観察範囲モニタ観察範囲(mm)=●撮像素子の大きさカメラ撮像素子の大きさ(縦×横)対物レンズの倍率単位:mm形式1/3型1/2型2/3型対角長長辺(横)短辺(縦)6.08.011.04.86.48.83.64.86.6(3)モニタ表示倍率モニタ表示倍率=対物レンズの倍率×モニタ上の表示対角線長(mm)カメラの撮像素子の対角線長(mm)■有限補正光学系対物レンズ単独で像を有限な位置に作る光学系を有限補正光学系といいます。■焦点距離(f=focallengthの略)主点から焦点までの距離で、f1は対物レンズの焦点距離、f2は結像(チューブ)レンズの焦点距離です。倍率は対物レンズの焦点距離と結像(チューブ)レンズの焦点距離の比で決まります。無限遠補正光学系の場合)対物レンズの倍率=結像(チューブ)レンズの焦点距離対物レンズの焦点距離(例)1×=200mm)(例)10×=200(mm)200(mm)20(mm)■焦点光学系において無限遠物点に対する共役点です。物体空間に無限遠物点がある場合の焦点を像焦点といい、像空間に無限遠物点がある場合の焦点を物体焦点といいます。物体焦点を前側焦点、像焦点を後側焦点ともいいます。■焦点深度(DOF=DepthofFocusの略)顕微鏡で焦点を合わせたとき、その面の前後にピント面をずらしても、なお鮮明に見える範囲をいいます。開口数が大きいほど焦点深度は浅くなります。DOF(µm)=λλ=0.55µm(基準波長)2・(NA)2(例)×のNAは0.7このときの焦点深度は0.55µm)=0.6µm)2×0.72J-17