>> P.N-22
■最大許容シングルスタイラス形状誤差PFTU,MPE【JISB7440-5(2013)】本測定はJISB7440-2(2003)寸法測定に含まれていましたが、2013年の改訂でJISB7440-52013)シングルおよびマルチスタイラス測定での記述に変更されています。測定方法についての変更はなく、以下の手順で実施されます。検査用標準球上の目標点(図6:25点)を測定し、そのすべての測定点から、最小二乗球の中心を計算します。さらにその25の測定点に対して、最小二乗球の中心からの距離Rをそれぞれ計算し、Rmax-Rminを求め、その値に「スタイラスチップの形状の不確かさ」と「検査用標準球の形状の不確かさ」を合成した拡張不確かさの値を加えた値が、規格値以下であれば、合格となります。22.5゜22.5゜a22.5゜22.5゜22.5゜図6最大許容シングルスタイラス形状誤差■三次元測定機の測定の不確かさ測定結果の信頼性を客観的に評価する尺度として測定の不確かさがあります。JISB0641-1:2001ISO14253-1:1998)では、測定機の検査結果や製品の測定結果を仕様と照らし合わせる際に不確かさを考慮することが提唱されています。しかしながら、三次元測定機によって工業製品を測定する際の測定の不確かさを推定することは簡単ではありません。測定の不確かさ推定は、不確かさを生じる要因をひとつひとつ定量化し、それらが測定結果に伝搬する過程を明らかにする必要があります。三次元測定機は、測定点の配置やデータムの定義など測定物をどのように測定するか(測定タスク、または測定戦略)を、パートプログラムによって図面指示や測定者の意思により自由に設定することができます。しかし、このことは不確かさ要因の結果への伝搬の過程を明らかにすることを難しくします。円測定の例を見ても、たった1点測定点の数や配置が違うだけで伝搬の過程が異なり、不確かさ計算をやり直すことにつながります。また三次元測定機は考慮すべき不確かさの要因が多く、それらの相互の影響も複雑です。このようなことから、三次元測定機は、測定の不確かさ推定の一般的な方法を示すことが現実的ではありません。三次元測定機による円測定の例三次元測定機の測定の不確かさを生じさせる主な要因■三次元測定機の測定の不確かさとVirtualCMMVirtualCMMはこのように複雑な三次元測定機の測定の不確かさを推定するためのソフトウェアです。VirtualCMMは、実機の特性に基づく三次元測定機をコンピュータ上に再現し、仮想的に測定(シミュレーション測定)を行います。仮想的な測定は測定者が作成したパートプログラムにしたがって行われます。実機の特性は、測定機本体の幾何的な特性、プロービング特性、温度環境などを実験値から見積もりそれを適用します。このVirtualCMMを用いることによって、三次元測定機の測定の不確かさを簡便に見積もることができるようになります。ISO15530シリーズのパート4(ISO/TS15530-4(2008))において、コンピュータシミュレーションによる測定タスク固有の不確かさ推定の検証方法が決められています。VirtualCMMはこの規格に準拠しています。三次元測定機の不確かさ要因の実験による定量化注1:VirtualCMMはドイツの国立物理工学研究所PTBによって開発されたソフトウェアです。注2:ISO15530シリーズGeometricalProductSpecifications(GPS)--Coordinatemeasuringmachines(CMM):Techniquefordeterminingtheuncertaintyofmeasurement--Part3:UseofcalibratedworkpiecesormeasurementstandardsPart4:Evaluatingtask-specificmeasurementuncertaintyusingsimulation[TechnicalSpecification]製品の幾何特性仕様-座標測定機:測定の不確かさの決定のための方法-Part3:校正されたワークまたは基準器の使用Part4:シミュレーションによるタスク固有の測定不確かさの評価方法N-22