ミツトヨ精密測定機器 総合カタログNo.13-54版
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表1 一般的なノギスにおける部分測定面接触誤差の最大許容誤差 EMPE図1図2 50以下 50を超え 100以下100を超え 200以下200を超え 300以下注:EMPEは,真直度,測定面の平面度および平行度によって生じる測定誤差を含む。図3 部分測定面接触誤差の測定例図4 スケールシフト誤差の測定例測定長以下の3機種で日本産業規格の指示誤差を表示する「器差」が「指示値の最大許容誤差(MPE)」へ変更されています。・530シリーズ M形標準ノギス 04-8掲載 (530-101 N15 530-108 N20 530-109 N30)・532シリーズ M形微動送り付ノギス 04-9掲載 (全機種)・531シリーズ M形自動ストップノギス 04-9掲載 (全機種)目量,最小表示量または最小読取値不適合の領域不適合の領域(不合格)合否判定に「不確かさ」を含まない仕様の領域=合格範囲不確かさを考慮した条件を満たす場合仕様の領域=適合の領域仕様の領域適合の領域不適合の領域合格範囲仕様の領域適合の領域不適合の領域合格(不合格)不確かさの領域JIS B 7507:2016 (ISO/TR 14253-6:2012)UUUU不確かさの領域04-390.05± 0.05± 0.06± 0.07± 0.08ブロックゲージブロックゲージ0.02± 0.02± 0.03± 0.04単位:mm■ノギスの性能評価方法ノギスの日本産業規格JIS B 7507で規定しているノギスの指示誤差は、2016年の改正(JIS B 7507:2016)によって、JIS B 7507:1993以前の「器差」から、「指示値の最大許容誤差(MPE)」へと変更されました。JIS B7507:1993以前の「器差」は仕様の領域(精度仕様)と合格範囲が等しいとする合格基準が採用されており、合否判定に測定の不確かさは含まれていません。(図1)JIS B 7507:2016の「指示値の最大許容誤差(MPE)」はISO規格(ISO 14253-1)で採用される不確かさを考慮した合否判定の基本的な考え方が採用されています。仕様への適合および不適合の検証は、国際的に認められている仕様の領域と合格範囲とが等しい場合の合格基準(simple acceptance)を用いることが明記されており、不確かさを考慮した一定の条件を満たす場合に、仕様の領域=合格範囲とすることが認められています。ここで、国際的に認められている合格基準とは、ISO/TR 14253-6:2012です。 (図2)2016年のJIS規格変更点を含め、代表的な検査の内容を説明します。■部分測定面接触誤差の              最大許容誤差 EMPE 【JIS B 7507:2016】ノギスにおける部分測定面接触誤差は、外側測定に適用される指示誤差です。表1に部分測定面接触誤差の指示値の最大許容誤差EMPEを示します。外側用測定面にブロックゲージまたはそれと同等以上のゲージ類を挟み(図3)、測定範囲内の任意の位置のジョウに沿った異なる位置で測定し、ノギスの指示値からゲージの寸法を減じることで求められます。■スケールシフト誤差 SMPE 【JIS B 7507:2016】 ノギスにおけるスケールシフト誤差は,外側用測定面以外の測定面が使用されている場合の内側測定、深さ測定などの指示誤差です。内側測定の指示値の最大許容誤差SMPEは,表1と同値とし、深さ測定の最大許容誤差SMPEは、表1の値に0.02 mm加算した値とします。内側測定の指示誤差は、測定範囲内の任意の位置で、ブロックゲージまたはそれと同等以上のゲージ類を用いて内側寸法を内側用測定面で測定し(図4)、ノギスの指示値からゲージの寸法を減じることで求められます。器差JIS B 7507:1993以前最大許容誤差MPE

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