ミツトヨ精密測定機器 総合カタログNo.13-54版
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■ ISO13385-1:2019及びJIS B 7507:2022ノギスにおけるシフト誤差は外側用測定面以外の指示誤差です。ISO13385-1:2019及びJIS B 7507:2022では外側測定誤差(EMPE)以外の測定誤差(内側・深さ・段差・内径測定誤差)はすべてシフト誤差(SMPE)となります。シフト誤差に含まれる誤差の種類がより具体的になったことに合わせ、試験点数や試験点の数値も新たに決められました。(図2、3・表3)■ ISO13385-1:2019及びJIS B 7507:2022への対応ノギスのISO規格ISO13385-1が2019年8月にISO13385-1:2019として改定発行されました。またこのISO13385-1:2019に基づき、ノギスの日本産業規格JIS B 7507が2022年5月にJIS B 7507:2022として改正公示されました。これらの改定において最大のポイントは、ノギスの精度に関する表記方法・検査方法等がより具体的に数値化されたことです。もちろん、数値化については測定・検査手段を一定の方法と基準をもって標準的に取り決めたものであり、従来までのノギスの品質に影響をおよぼすものではありません。ここでは改定されたISO13385-1:2019及びJIS B 7507:2022のポイントと変更点について解説します。(表3)(図2)■ 部分測定面接触誤差 E(MPE) 【ISO13385-2:2020, JIS B 7507:2022】ノギスにおける部分測定面接触誤差は、外側測定に適応される指示誤差です。改定されたISO13385-1:2019及びJIS B 7507:2022では今までメーカー の基準に任されていた試験点や試験数、試験配置といった試験の方法・基準について、測定範囲毎に数値化されました。(図1・表1)(図1)5678【例】 段差・深さ測定(図3)例)測定範囲150 mmのノギスでは試験点が5点以上必要となります。部分測定面接触誤差の試験点の数(表1)さらに改定では、試験の配置として製品の測定範囲の90%以上の点で試験を行うことや、最大/最小点においてジョウの根本と先端での試験を行う事が指示されていますので、新たに決められた規格に準拠し試験を行うことが重要となります。例として150mmタイプの測定例を示します。ISO13385-1:2019及びJIS B 7507:2022では、150mmの場合、最小試験点数は5ポイントとなります。(表1)ISO13385-1:2019及びJIS B 7507:2022に準拠するためには、5ポイント以上の試験点が必要です。5ポイント以上の中には最大/最小点での試験と測定部の元と先端での試験が含まれます。これらをすべて合わせ5ポイントの試験点数とします。測定範囲(mm)試験点の最少数シフト誤差の測定例-深さ測定シフト誤差の測定例-段差測定深さ測定・段差測定を例に取りますと、試験点数1点以上、試験点50mm未満、試験配置はブロックゲージを使用といったように、より具体的に取り決めされています。(表3参照)試験点数150 mm未満ブロックゲージ試験点基準器15030010001000以上04-40

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